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Columnin the Roughの思いや活動をコラムで綴ります

コラム:毎日が映画日和 vol.2

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コラム:毎日が映画日和 vol.2

『ベニシアさんの四季の庭』

自宅のベランダに出るたび、荒れ放題のプランターが目に入る。以前は、毎年トマトやキュウリを育てていたが、何もしなくなってもう3年。今年こそはと思いながら、なかなか重い腰を上げられずにいる。一度辞めるとなかなか始められない無精者である。

そんな無精者の楽しみはNHKで放送中の「猫のしっぽ カエルの手」だ。京都大原の築百年以上の古民家で暮らすベニシア・スタンリー・スミスさんの日々を、大原の美しい風景とともに綴る番組である。

見知らぬ土地で

イギリス貴族の家に生まれながら日本に暮らし、大好きな庭仕事と日本の古くからの風習、文化を大切にするベニシアさん。彼女の丁寧な暮らしぶりは、見ているこちらまで穏やかな気持ちになる。こんな生活がしてみたいと憧れるばかりだが、映画『ベニシアさんの四季の庭』を観てびっくり。その暮らしぶりから勝手に順風満帆な人生を想像していたが、まるで違う波乱万丈な人生が描かれていた。

1950年生まれ。幼い頃から貴族の生活に馴染めず、19歳でインドへ渡る。やがて日本へたどり着き、京都に魅せられ暮らすようになる。結婚し、3人の子どもを授かるも離婚。子どもを育てながら自宅で英語学校を経営する。苦労の末、生徒は180人に。その後、現在の夫と出会い結婚。大原の古民家で暮らしはじめるが、その先もいくつもの困難に遭遇する…。

見知らぬ土地で子どもを抱え懸命に生きてきたベニシアさん。今も決して苦労がないわけではない。そんな彼女の心の支えとなってきたのが「庭」である。

地球の未来を考えて

子どもの頃から「田舎で庭仕事をしながら家族と暮らす」のが夢で、英語学校を経営時代も庭づくりを楽しんでいたというベニシアさん。

春を告げるスイセン、大好きなバラ、季節の草花が四季を彩る。庭仕事に休みはない。土をおこし、種をまき、草をむしり、花が咲いたら種を取り…。手をかければ手をかけただけ応えてくれる。

生活に取り入れるために植えたハーブも今では150種類。料理やお菓子、お茶、シャンプーに使ったり、虫除け効果のあるラベンダー入りのビーズワックスを作って家具を磨く。

「自然のもの、昔から使っているものは体にも安心だし、地球にも安心。」

今の自分の生活だけでなく、地球の未来のことまで考えて生活する。誰もができることではない。

ベニシアさんの生活に憧れるのはキレイな部分しか見ていないから。仕事、家事、育児は言い訳にもならない、ぐうたらなだけ。本当にやりたいと思うならやってみればいい。そう叱られたような気がする。

よし、やるぞ!
3年ぶりにプランターの土を入れ替え、キュウリ、トマトを植えた。虫除けを兼ねてシソとローズマリーも。重い腰をあげたら夏の楽しみが増えた。

(フリーライター 坂田未希子)

コラム:毎日が映画日和 vol.2

『ベニシアさんの四季の庭』(2013年/日本)
監督:菅原和彦
出演:ベニシア・スタンリー・スミス、梶山正 ほか
http://venetia.jp/index.html

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