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Columnin the Roughの思いや活動をコラムで綴ります

コラム:毎日が映画日和 vol.1

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コラム:毎日が映画日和 vol.1

『インサイド・ヘッド』

映画を通して日々の出来事を見つめてみると、それまで気づかなかったことに気づいたり、思いがけないことに出会えることもある。
いつもとはちょっと視点を変えて映画を観てみませんか。
なにかのヒントになればうれしい、映画よもやま話をお届けします。

頭の中を覗いてみよう

子育ての悩みは尽きないもので、次から次へと難題が降りかかってくる。中でもやっかいなのがイヤイヤ期だ。話には聞いていたけど、これほど大変だとは思わなかった。自我が目覚めるという、成長過程で大事なことだとわかっていても、まぁほんとにめんどくさい。我が家でも2才半の娘が、あれがイヤこれがイヤだと日夜大騒ぎ。いったい彼女の中で何が起こっているのか。それを知る手がかりにもなるのが映画『インサイド・ヘッド』である。

ミネソタに暮らす11才の少女ライリーと、彼女の頭の中にいる5つの感情、ヨロコビ、ムカムカ、イカリ、ビビリ、カナシミたちの物語。ライリーはヨロコビの奮闘で毎日楽しく元気に暮らしていたが、サンフランシスコへの引っ越しで一変する。見知らぬ街、新しい学校、馴染めない友だち。ライリーの頭は不安とドキドキで溢れ、ヨロコビとカナシミが放り出されてしまう。果たして、ライリーに笑顔は戻るのだろうか。

感情がキャラクター? それで物語が成立するのかしらと思っていたら、びっくりするぐらい面白い。頭の中で起こっていることが実にわかりやすく描かれていて、目からウロコがポロポロ落ちていくよう。

初めは喜びだけだったものが、悲しみ、怒り、様々な感情が生まれることで、人は成長してゆく。感情は心ではなく、頭で作られるもの。当たり前のことなのだろうが、気づいていなかったような気がする。嬉しい時、不安な時、心臓がドキドキしたりギュッとするから心の問題だと思っていたけど、そうではない。例えば嫌なことがあった時、そのことをいったん忘れて、楽しいことを考えようとする。感情を切り替えるために頭に信号を送っているのだ。

でも、感情のコントロールができない時はどうすればいいのか。ヨロコビを失ったライリーは、マイナスなことしか考えられなくなってしまう。頑張っても頑張ってもヨロコビが見つからない。そんな時に必要なもの、大切なものは何か、映画はちゃんと教えてくれる。

ライリーの頭の中を覗いたことで、イヤイヤ期のことも少し理解できたような気がする。これからは、めんどくさがらずに子どもに向き合い、もっとイヤイヤ期を楽しんでみたいと思う。

(フリーライター 坂田未希子)

『インサイド・ヘッド』(2015年/アメリカ)
監督: ピート・ドクター、 ロニー・デル・カルメン
出演: エイミー・ポーラー、 フィリス・スミス、ミンディ・カリング

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